家電情報関連

家電は、一旦、家庭で使用されるようになると、メーカーや小売店で、その使用状況をつかむことができず、故障が発生しても修理が効率よく行いなかったり、リコール対象商品をなかなか見つけられなかったりという課題があります。このような課題を解決するために、ホームネットワークやインターネットを使用した、家庭内の家電の遠隔保守サービスを提供する仕組みの開発が進められています。

このようなサービスは、安心安全な家電の利用を促進するだけでなく、メーカー等のサービス提供者に、従来は利用できなかった家電の使用状況の情報の利用を可能にします。この情報を利用することで、メーカー等の企業は、在庫量の調整をしたり、流通戦略を見直したりの新たな機会を与えることになります。本研究では、この家電の情報が利用可能になった際の、新たな在庫管理プロセスを提案し、解析的あるいは、シミュレーションによってその効果を評価します。

(1) 安心安全社会を実現するRFIDを利用した家電診断システムの試作

20年以上前に製造された扇風機が経年劣化のため発熱し、火災が発生する事故が起こりました。家電は長期間使用されるため、素性がわからなくなってしまうことがよくあります。製品本体にRFIDを用いて個体識別子を付与しておくことで、その個体識別子をキーとして、その製品の状態を把握することが可能となります。